2号館

いのちのバトンを受け取って

仕事帰りに、ひさびさにある人にお会いしてきました。
ひさびさにお会いするその人は、写真の中に、いらっしゃった。

新聞で訃報を知った。
小規模多機能型居宅介護をご利用下さっていたその方は
いろんなお顔を見せて下さっていた。

おうちでのお客様をもてなすリラックスしたお顔
「何が何だか分からない」と心配で不安げなお顔

お泊りをご利用なさっていた頃、深夜におトイレに起きてきて
「大変だね〜。ちょっとは休めしよ〜。」なんて声をかけてくださる、
やさしいおばあちゃんだった。

お風呂に入られているときの笑顔
婦人会でご活躍されていたころのお話になるとキリッとされる、生真面目なお顔
茶目っ気たっぷりなお顔

色んなお顔を、僕は今でも、沢山思い出すことができる。

そして、ご家族の方々とも色んなお話をさせて頂いたこと
想いを聞かせて頂いたこと
救急車に乗って、病院まで付き添ったこと
ご回復されて、ほっとしたこと

月並みだけれども、まるで昨日のことのようにありありと思い出される。
素敵なお方だったなぁ。

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訃報を知って
写真の中のSさんに手を合わせながら無心でしばらく時を過ごして。

そしてね、
勝手ながら、僕は、ほんの数年の間だけ介護施設という”場”を通じてお付き合いさせて頂いたその方の
いのちのバトンを引き継がせて頂こうと思う。

この同じ北杜の地で生を営んだひとりの人間として。

あったかいエネルギーを沢山頂いたよ、Sさん。

ありがとう。本当にありがとうございました。

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介護に携わる人間として、ひとりの人間として、そしてまた、今はまだ駆け出しながら介護支援専門員という立場でご本人、ご家族の方とやりとりをさせて頂いていると、高齢者の皆さまが戦争を生き延びて、色んな苦労を乗り越えて、いま”生きて”いらっしゃるのは、本当にすごいことなんだなぁって思うんです。

”当たり前じゃない”って本当にそう思います。
デイサービスに来るのが当たり前。とんでもない!かけがえのない人生の時間を共に過ごさせて頂いていることに感謝しかありません。

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僕はね、ひとりの人間として、目の前にいらっしゃる方になんの道具も商品も不要でぶつかることができることに、そんなこの介護の仕事にたまらなく魅力を感じているんです。

自分が商品。故にごまかしが効かない。だからこそ、やりがいがあるんです。

日々が、本当に、ありがたい。そして、この長々グダグダな文章を読んで下さっていることにも、感謝です。

このブログを読んでくださって、本当にありがとうございます。

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ほくと夢ポケット 介護福祉士
ほくとけあポケット 介護支援専門員
一般社団法人日本看取り士会 看取り士

白倉 明

ABOUT ME
akira.s
介護福祉士として現場で利用者様の心に寄り添う傍ら、ケアマネジャーとしても日々経験を積んでいます。看取り士として、その人の人生の最期まで寄り添う活動も展開し、家業の農業も併せて、この地域の生命に向き合っています。